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2026/08/17
『迷宮のしおり』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【イマレコ!-今コレをレコメンド!】

『迷宮のしおり』のなかに盛り込まれた作家・河森正治の軌跡

ごく普通の女子高生、前澤栞は、ある日突然スマホのなかに閉じ込められ、もうひとりの自分、SHIORI@REVOLUTIONと入れ替わってしまった。しかもSHIORI@REVOLUTIONがSNSで「1億いいね」を達成すると、栞は現実世界に戻れなくなってしまうという。はたして栞はスマホの中に広がる不思議な世界<ラビリンス>を抜け出し、現実世界に戻ることができるのだろうか……?

『マクロス』シリーズを始めとした数々のヒット作を生み出してきた監督・河森正治の、自身にとって初のオリジナル長編アニメーションが『迷宮のしおり』である。その楽しみ方は、栞のスマホからの脱出劇を描くエンターテインメント作品として見るだけでも十分に面白い作品に仕上がっている。だが、そこから一歩踏み出すと、河森正治が長年エンターテインメント作品を手がけるなかで、一貫して描いてきた「人間はテクノロジーとどう向き合うべきか」というテーマが見えてくる。

河森正治監督といえば、『超時空要塞マクロス』に登場した可変メカ、VF-1 バルキリーに代表されるように、緻密なメカニックやSF描写でファンに強烈なインパクトを与えてきた。自身も若かりし日はテクノロジーに傾倒していたものの、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』以後、世界を巡る旅へ出掛けたことが転機となった。なかでも、現在ほど発展を遂げていなかった当時の中国への旅は、その後の作家性を大きく方向づけるほどの衝撃を与えたという。このエピソードは監督自身がさまざまなイベントやインタビューで語っているので割愛するが、端的にいえば、「人間や自然、そして地球がもつ本来の力への探究」に目覚めた出来事だった。

もっとも、監督作品はテクノロジーそのものを否定してきたわけではない。むしろ一貫して描かれてきたのは、人間はテクノロジーとどう向き合うべきかという問いである。『迷宮のしおり』では、その象徴がスマホとなった。時代を映すガジェットは非常に身近なスマホへと変化したが、むしろ日常に高度なテクノロジーが存在することで、人間とテクノロジーの関係を問い続ける姿勢は先鋭化したといえる。

本作で栞が迷い込むスマホの世界は、単なる異世界ではない。劇中で語られるXGの世界は、SNS、動画配信、AIという過剰な情報にさらされる現代社会そのものだ。便利でありながら、自分の意思より先に情報が流れ込み、人は容易に自分自身を見失ってしまう。しかし本作が描くのは、スマホという世界から逃げ出すことではない。そのなかで自分を見失わず、現実とデジタルの双方を受け入れて生きていく姿勢なのだ。

その象徴が、SHIORI@REVOLUTIONという存在だ。彼女は単なる栞と敵対する存在ではない。引っ込み思案な栞が、スマホのなかに秘めていたもうひとりの自分であり、それは他者から求められる理想として捉えることもできる。
現代では誰もが、現実の自分とネット上の自分を使い分けながら生活している。本作は、そのどちらが本物なのかを問うのではなく、その両方を受け入れることこそが、自己肯定につながると描いているように感じる。だからこそ、SHIORI@REVOLUTIONとて完璧ではなく、栞がもつアンバランスさも持ち得ている。

そして栞が最後に選んだのは、SHIORI@REVOLUTIONを拒絶することではなく、受け入れることだった。そこには、スマホという強力なガジェットを否定するのではなく、どう向き合い、自分らしさを失わずに共存していくかを問いかける、本作のテーマが表れている。

こうしたテーマは、『迷宮のしおり』で突然生まれたものではない。『愛・おぼえていますか』以降、監督復帰後の河森作品には、人間や自然、テクノロジーとの向き合い方というテーマが随所に盛り込まれている。集団催眠の危険性を取り入れた『マクロスプラス』、宮沢賢治が感じた世界をビジュアルとして描き出した『イーハトーブ幻想〜KENjIの春』、作品そのものが人類と自然環境への問いかけとなった『地球少女アルジュナ』、人が持つ原初的な力へのアプローチを特訓として取り入れた『創聖のアクエリオン』、人類と他生物との共存・共生に迫った『マクロスF』……。挙げればきりがないが、代表的なものだけでもこれだけある。

長きにわたるクリエイター人生のなかで、そうした問題意識はより深まり、作品ごとに形を変えながら描かれてきた。これまでの作品のなかにも、『迷宮のしおり』へと続くヒントは随所に散りばめられている。
たとえば、「もうひとりの自分」というテーマでいえば、『創聖のアクエリオン』第18話「魂のコスプレイヤー」が挙げられる。本エピソードでは、身近な人間になりきる=コスプレすることによって、自分は他者をどのように見ているのか、そして自分はどのように見られているのかが描かれる。

最終的に主人公たちのメンターである不動司令が出した答えは、「カエルの子はカエル、鷹の子は鷹、狼の子は狼」であり、つまりは「無理に何者かになろうとせず、己の本質と向き合う」という結論である。『迷宮のしおり』で栞がSHIORI@REVOLUTIONを受け入れたラストシーンもまた、その延長線上にあるものとして見ることができるだろう。
テーマ性の探究に始まり、映像的なテクニックという意味でも、『迷宮のしおり』は河森作品のさまざまな要素が詰め込まれた、一つのマイルストーンといえる。
ここでは絵コンテのいくつかのシーンを題材に、それぞれの場面に込められた意味を読み解いていく。さらに2026年8月26日(水)発売の『迷宮のしおり』Blu-rayには、より深く作品を読み解く解説やインタビューが掲載されているので、本作をさらに楽しめるはずだ。

文:河合宏之

スペシャル記事「監督・河森正治による『迷宮のしおり』絵コンテ徹底解説」公開中!

<発売情報>

Blu-ray(特装限定版)
2026年8月26日発売
税込価格:¥13,200
品番:BCXA-2054

▼『迷宮のしおり』公式サイト
https://www.escaflowne.jp/
▼『迷宮のしおり』公式X
@meikyu_shiori

©『迷宮のしおり』製作委員会

2026/08/04
『ふしぎ遊戯』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【イマレコ!-今コレをレコメンド!】

 1995年にテレビアニメ化された渡瀬悠宇原作の『ふしぎ遊戯』は、本の中の異世界で伝説の巫女となった少女が、体に文字を宿す7人の守護者とともに冒険を繰り広げる異世界ファンタジーである。
 30年が経過した今なお本作がファンを魅了し続けているのは、少女漫画の枠を超えた壮大な物語と魅力的なキャラクター、そしてそれらを彩る切なく過酷な運命と恋愛模様に他ならない。

90年代に登場した「異世界」を舞台に戦う少女の物語

 今回紹介する『ふしぎ遊戯』は、1992年から1996年にかけて『少女コミック』(小学館刊・現「Sho-Comi」)で連載された全18巻の漫画が原作のテレビアニメである。物語は、中学3年生の夕城美朱(ゆうき みあか)と親友の本郷唯(ほんごう ゆい)が、古い書籍「四神天地書」に吸い込まれるところから始まる。異世界へ迷い込んだ美朱は、運命に導かれ「朱雀の巫女」となり、世界を救い元の世界へ戻るため「朱雀七星士」とともに尽力することに。しかし、彼女たちの前には、親友・唯を巫女とした「青龍七星士」が立ちはだかるのだった。

 本作の画期的な点は、1990年代前半において「少女漫画における異世界トリップ」という新たなジャンルへの挑戦だ。近年の主流である「異世界転生」とは異なり、当時は生きたまま異世界に移動・往来する「異世界転移・召喚(トリップ)」が多く、物語が終わると主人公は元の世界に帰るのが一般的であった。このジャンルは平成が進むとともに多様化していくが、それまで少年向けが中心だった「異世界冒険バトル」を、少女もまた世界の命運を背負って戦い、活躍する場所へと押し上げた功労者のひとつが本作だ。

女性ファンを熱狂させた美形キャラと、敵味方が織りなす過酷な人間ドラマ

 さらに、多くのファンタジー作品が中世ヨーロッパを下地にした西洋風の世界観に対し、本作の舞台である四正国・紅南国は古代中国を思わせる「東洋風」である。実は1990年代は若者を中心に「オリエンタルブーム」が巻き起こり、ツインお団子ヘアや中華風のファッションが広く認知された時期でもあった。そのため、登場人物たちが身にまとう漢服や武術着ベースの中華風デザインは当時の異世界アニメにおいて非常に魅力的であり、若い視聴者もすんなりと受け入れられた。

 この東洋エッセンスは、作品の随所に盛り込まれている額に「鬼」の字を持つ鬼宿(たまほめ)をはじめ、美貌の皇帝・星宿(ほとほり)、女装の怪力・柳宿(ぬりこ)、仮面の術師・井宿(ちちり)、鉄扇使い・翼宿(たすき)、治癒師・軫宿(みつかけ)、知力の張宿(ちりこ)など、中国の天文学・占星術に由来する二十八宿から名付けられた称号はどれも難読だ。しかし、当時のファンが必死にその漢字と読みを暗記していたことからも、その熱狂的な人気がうかがえる。

 彼ら七星士は、いずれも個性的で魅力あふれる美形揃いである。美朱と思いが通じ合う鬼宿、美朱に一途な求愛をする星宿、そして女性のような姿でありながら、美朱を守るため長い髪を躊躇なく切り落とす漢気を見せる柳宿。このように、宿命を背負った多くの男性キャラクターが主人公・美朱に好意を寄せ、献身的なその構図は、後年の「乙女ゲーム」や「逆ハーレム」の先駆的存在であり、現代に続く「恋愛ファンタジーの元祖」と称されるゆえんである。

 作り込まれた重厚な世界観にキャラクターの運命が深く絡み合い、物語が進むにつれて七星士たちの過去が明かされていく。それは唯を巫女とする「青龍七星士」も同様であり、彼らの宿業は過酷だ。倶東国(くとうこく)の将軍・心宿(なかご)は、幼い頃より異民族として過度な迫害を受け、自身の野望を叶えるために唯を騙して青龍召喚を狙う。元娼婦の房宿(そい)は、そんな心宿を慕い、彼を庇って壮絶な死を迎える。唯にほのかな恋心を抱く角宿(すぼし)は、鬼宿の家族を惨殺した報いを受ける。そして、双子の兄・亢宿(あみぼし)は、自分への情愛を持つ弟の魂をその身に受け入れた。こうした美朱や唯、そして七星士たちが直面する別れや試練は、視聴者の心を大きく揺さぶった。

奇跡の布陣が命を吹き込んだテレビアニメと、心揺さぶる名曲たち

 この壮大な物語は1995年に全52話でテレビアニメ化され、アニメーション制作をスタジオぴえろが担当。監督には亀垣一を迎え、キャラクターデザインには美形キャラに定評のある本橋秀之が。当時、アニメーターの手により一枚一枚描かれたセル画は繊細で美しく、アクションシーンでは少女漫画原作とは思えないほどの苛烈で迫力あるバトルが展開された。特に、第51話と最終話(第52話)は、絵コンテ・演出を亀垣監督、作画監督を本橋秀之が務めた渾身のエピソードである。
 声優陣もまた、今見ても目を見張るほどの贅沢な布陣だ。主人公・美朱役は荒木香衣(旧・香恵)、鬼宿役は緑川光が演じた。さらに子安武人、関智一、神奈延年(旧・林延年)、三木眞一郎、井上和彦と言った人気声優陣がキャラクターに命を吹き込み、多くの女性ファンを虜にした。

 物語の所々で美朱を中心にギャグやコントが入る本作であるが、アニメでは荒木や緑川の軽妙なテンポでの会話が心地よい。全編シリアスな展開だけではなく、程よい緩急があるため肩ひじ張らずに楽しめる。さまざまな面を見せるキャラクターに親しみと深みが生まれた。アニメ制作スタッフがくるくると表情の変わるキャラクターを動かし、声優が発する台詞に込める演技により、視聴者は違和感なく『ふしぎ遊戯』の世界に没入できたのだ。

 そして、忘れてはならないのが、アニメを盛り上げた楽曲の存在だ。佐藤朱美の魅力的な主題歌『いとおしい人のために』が物語の世界観を決定付け、この曲で「ウォーアイニー(我爱你)」が中国語で「私は貴方を愛しています」と知った視聴者も多い。今野友加里のエンディングテーマ『ときめきの導火線』では、放送回の映像が流れる横で、原作者・渡瀬悠宇の美麗なカラーイラストが何枚も映し出され、ファンを魅了した。

テレビアニメを補完し、ファンの思いに応えたOVAシリーズ

 テレビアニメの大ヒットを受け、その後OVAシリーズが展開された。制作スタッフはテレビアニメとほぼ同じであり、亀垣監督が絵コンテと演出、本橋秀之がキャラクターデザインと作画監督を担当している。
 1996年から発売された『オリジナルビデオシリーズ ふしぎ遊戯(第一部)』(全3巻)は、アニメ完全オリジナルストーリーだ。現実世界で平穏に暮らしていた美朱と、現実世界に転生した鬼宿こと宿南魏(すくなみ たか)。だが、玄武の巫女の声に導かれ、魏は紅南国に舞い戻ってしまう。懐かしい顔が勢ぞろいするなど、ファンサービス満載のOVAとなった。
 続いて1997年から発売されたOVA『ふしぎ遊戯 第二部』(全6巻)は、原作コミックス第14巻~第18巻にあたるエピソードを映像化している。実はテレビアニメは原作全18巻のうち第13巻までを描いており、このOVA『第二部』こそが原作準拠の正統な続編にあたる。鬼宿としての記憶を失い現実世界で暮らす魏は、美朱とともに再び「四神天地書」の世界に戻り、最強の敵・天罡(てんこう)と戦うことになる。刺客の襲撃をかわしつつ「記憶の玉」を探す怒涛の展開が続く中、星宿の遺児や井宿の過去など、ほろりと泣かせるエピソードも随所に盛り込まれていた。

 1990年代を彩った『ふしぎ遊戯』は、美麗なセル画、迫力のバトルシーン、そして豪華声優陣の熱演が奇跡的なバランスで融合した傑作だ。主題歌を聞くだけで当時の記憶が蘇る、あの瑞々しくも熱い興奮を今一度味わってほしい。

文:高塔琳子

<発売情報>

ふしぎ遊戯 Blu-ray BOX(特装限定版)【A-on STORE限定】
2026年8月26日発売
税込価格:¥33,000
品番:BCXM-2060

関連記事:
8月26日(水)発売「ふしぎ遊戯 Blu-ray BOX」原作 渡瀬悠宇描き下ろし三方背ケースイラスト公開!荒木香衣(夕城美朱役)、緑川光(鬼宿役)よりコメントも到着!

©渡瀬悠宇/小学館・ぴえろ 1995
©1996 渡瀬悠宇/小学館・バンダイビジュアル・ぴえろ・ムービック
©1997 渡瀬悠宇/小学館・バンダイビジュアル・ぴえろ・ムービック


▼TVアニメ『ふしぎ遊戯』30周年記念特設HP
https://pierrot.jp/fushigi30th/
▼ふしぎ遊戯 Blu-ray BOX 公式X
https://x.com/fushigiyugi_bd

2026/06/15
『マクロス7』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【名作ヒストリー】

『超時空要塞マクロス』と全てが逆の異色作

 『マクロス』シリーズの中で、もっとも異質な作品に映るのが、1994年にTVシリーズ作品として放送された『マクロス7』である。そもそも本作は、2作品の同時進行で誕生した企画であり、その1つである『マクロスプラス』が、原点である『超時空要塞マクロス』のリアリティや重厚な描写を突き詰めた作品であることに対し、『マクロス7』は真逆のコンセプトで送り出された。

 歌って戦わない主人公・熱気バサラに、口があるファイヤーバルキリー、襲い来る敵はモンスターのようなプロトデビルン……。そのどれもが『マクロス』とは対照的だった。
 「同じことは二度とやらない」と誓っていた企画者・河森正治にとって、2作品同時進行という挑戦、そして『マクロス』のセオリーをあえて裏切る『マクロス7』のコンセプトは、シリーズ復帰を決意する大きな理由となった。

 94年に放送がスタートした当初、「あの『マクロス』の復活」を期待していたファンからは、大きな批判が巻き起こったとされる。その矛先は、バルキリーで戦場にあらわれながらも、歌うだけで戦わない主人公・熱気バサラに向けられた。
 「なぜ戦わないのか?」
 序盤のガムリン木崎の言葉は、視聴者の気持ちを代弁したものだった。
 だが何も語らず、ただ歌い続けたバサラの姿を見続けたファンたちの反応は、いつしか変わっていく。それを象徴するのが、第28話「サウンド新兵器」。歌が通じないことにもどかしさを感じたバサラが、まさかのミサイルを放ってしまった瞬間だった。
 「なぜ撃つ? 熱気バサラ! お前は唄うんじゃないのか!?」
 今度はその真逆の言葉に、視聴者が大きな共感を抱くことになった。それはバサラの生き様が、ガムリンを、視聴者の心を、大きく動かした瞬間だった。

戦わず歌う主人公が魅せる“音楽の力”

 バサラの生き様は、『マクロス7』の作品性すべてと言ってもいい。それは全49話のエピソードを通じて何も変わらない。ただ、その生き様を垣間見た人々の気持ちが、画面の中と外で、それぞれ大きく変化していっただけだ。
 こうした作風が実現したのは、河森正治が送り出した空前絶後のコンセプトを、監督アミノテツロー、シリーズ構成・富田祐弘の作風ががっちりと噛み合ったことによる。
 アミノは「人が死なない作品ならOK」という条件で監督を引き受けたといい、それがバサラの「敵ですら歌で説得する」というコンセプト、そして「敵を倒す爽快感だけで物語を終わらせたくはない」という河森正治の想いに見事に合致。そしてアミノらしい「1年かけてじっくりと描く」という、4クールアニメ黄金期のキャラクター描写は、バサラの主人公像を深く視聴者に刻み込んでいった。

 一方、いまやだれもが知る名言である「俺の歌を聞け!」は、アニメ脚本界屈指の名言ヒットメーカーである富田祐弘が生み出したもの。どこかユーモラスでありながら、圧倒的な熱量ですべてを吹き飛ばしてしまうような『マクロス7』の作風は、富田を中心とした脚本チームの手腕によるものだった。

 そして忘れてはならないのが、Fire Bomberの楽曲である。劇中でバサラやミレーヌが結成したFire Bomberは、そのまま現実世界においても、歌唱パート担当の福山芳樹(ボーカル、ギター)とチエ・カジウラ(ボーカル)を中心として活動。
 圧倒的な熱量とともに、どこか懐かしく、視聴者の気持ちに突き刺さる楽曲の数々は、劇中でもセリフ以上の存在感を示した。その豊富な楽曲数ゆえに、「音楽予算を早々に使い果たしてしまった」と言われているが、ファーストアルバム『LET'S FIRE!!』は、オリコン第4位、30万枚の売上という大ヒットを記録。今なお楽曲の熱量は衰えることはなく、普遍的な魅力を放ち続けている。

「歌で銀河を救う」をもっとも純粋に具現化

 メカニック面に目を向けると、バサラが駆るファイヤーバルキリーは、バサラの生き方を具現化したような機体である。戦場で歌うならば「口」が必要で、手にした銃はスピーカーを射出するスピーカーポッド、肩部にはスピーカーシステムを備える。脚部にミサイルを搭載しているものの、徹底的に「歌う」ことへの意思が貫かれている。

 これが『マクロスプラス』でイサム・ダイソンが駆るYF-19とベースデザインは共通であることも衝撃だった。同じデザインながらも、YF-19は徹底したリアリティ描写を追求する一方、ファイヤーバルキリーは少年漫画的なノリでファンを魅了する。変形構造をはじめとする基本デザインは共通ながらも、作風に合わせてスタイリングを変えることにより、ここまで対極に位置するデザインを実現できたのは、河森が「VF-1 バルキリーを超える」デザインを追求した結果だといえる。

 振り返れば、最終話「銀河に響く歌声」は、1年間4クールをかけてバサラと向き合ってきた視聴者にとって、最高の瞬間であった。「歌だけで世界を救う」という結末の重みは、49話を積み重ねてきたからこそ成立したものだ。『マクロス』シリーズの中でももっとも異質である『マクロス7』は、実は「歌で銀河を救う」というシリーズのコンセプトを、もっとも純粋に具現化した作品だったのかもしれない。

文:河合宏之

<関連情報>

『マクロス7』4K ULTRA HD Blu-ray BOXのリクエスト販売が開始!期間内の予約数2,000本達成で商品化!

AD2027 銀河よ!俺の歌を聴け!!
マクロス7 Re.MASTER FIRE!! 4K ULTRA HD Blu-ray BOX
リクエスト販売 2026.6.30(火) まで注文受付中

目標数達成で2027.10.16(土) 発売!

※目標数に到達しなかった場合は、商品生産を行いません。

発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス

【リクエスト販売】ショップ、特典・決済方法

■バンダイナムコフィルムワークス公式ショップ A-on STORE
特集ページ https://a-onstore.jp/shop/macross7/
・決済方法 クレジットカード決済、webスマホ決済 https://a-onstore.jp/item/item-1000240021/
・ショップ特典:版権イラスト使用 A4クリアファイル(2枚組)(770円相当)

■プレミアムバンダイ
・決済方法 クレジットカード決済(前払)、Paypay、Paidy https://p-bandai.jp/item/item-1000248415/
・ショップ特典:他の買い物でも使用できる プレバンポイント777ポイント
(プレミアムバンダイサイト内にて、「1ポイント=1円」としてご利用いただけます。)

※詳細やご予約に関する注意事項はA-on STORE特集ページ、または各ショップページをご確認ください。

▼マクロス公式ポータルサイト
https://macross.jp

©1994 BIGWEST/MACROSS 7 PROJECT

2026/06/04
「イマレコ!」「ぴえろ魔法少女シリーズ」[特集サイト「プレイバックエモーション」]【イマレコ!-今コレをレコメンド!】

昭和、平成、令和を駆け抜ける「魔法少女」の軌跡

 1980年代を振り返ると、日本の魔法少女アニメにとって大きな転換期であった。
 そんな時代にスタジオぴえろが放った「ぴえろ魔法少女シリーズ」は、どこにでもいそうな“ふつうの女の子”が主人公だった。気になる男の子に胸をときめかせ、子ども扱いにすねて背伸びをする。そんな等身大の少女が妖精から魔法の力を授かり、「憧れの大人の姿(虚像)」と「本当の自分(現実)」の狭間で揺れ動きながら成長する物語は、世代や性別を超えて多くのファンを魅了した。
 最新作『魔法の姉妹ルルットリリィ』(2026年)は、前作から実に28年ぶりとなるシリーズ第6作だ。近年の潮流とは一線を画す「戦わない魔法少女」という原点回帰のスタイルを提示し、SNSなどを中心に大きな話題を呼んだ。本稿では、この最新作のルーツであり、昭和から平成の時代を彩った初期5作品の魅力や特徴を解説していく。

魔法の天使クリィミーマミ(1983年)

 シリーズの第1作にして、最大の商業的成功を収めたのが『魔法の天使クリィミーマミ』だ。10歳の少女・森沢優が魔法で憧れの美少女の姿に変身し、普通の小学生と大人気アイドル「クリィミーマミ」の二重生活を送ることになる。「期限は1年間」「正体がバレたら魔法を失う」という制約は後のシリーズにも継承されるが、この「主人公と視聴者だけが知りうる秘密の共有」という構図が、当時の子どもたちに物語への没入感を与えた。

 本作で画期的だったのが、魔法少女の中に「芸能界」という華やかなステージをリアルでシビアな職業として持ち込み、アニメという「虚構」の世界に「現実」の存在を“融合”させた点だ。実在の新人アイドル・太田貴子をマミ(優)の声優と歌唱に起用した先進的なメディアミックス展開は見事にハマり、主題歌『デリケートに好きして』をはじめとする挿入歌は音楽業界でも大ヒットを記録。全52話のテレビ放映終了後、4本ものOVAが制作され、そのうち2本がミュージッククリップ形式であったことからも、本作の「楽曲」への注力ぶりがうかがえる。

 映像面での功績は、パステルカラーを意識的に取り入れた色彩計画だ。デジタルCGのない「セル画による手作業」の時代、使える絵の具(アニメカラー)の色数に限りがある中で特色を作るなど、制作陣は工夫を凝らしながら画面を淡く華やかに彩った。キャラクターデザイン・高田明美の洗練されたセンスも光り、マミのふわりとした紫色の髪とファッションはファンを魅了。

 放送から40年以上経った今もなお、マミは「昭和レトロ可愛い」アイコンとして、アパレルやグッズ展開などで古参から新参のファンに至るまで熱い視線を浴び続けている。

魔法の妖精ペルシャ(1984年)

 続く第2作『魔法の妖精ペルシャ』は、青沼貴子の漫画『ペルシャがすき!』を原案とした、シリーズ唯一原作のある作品だ。アフリカの大自然で育った11歳の野生児・速水ペルシャが、妖精の国を救うため魔法を授かり「愛のエネルギー」を集めていく。

 今作も魔法の力で大人の姿に変身するが、前作『マミ』のような特定のアイドル姿に固定されるのではない。警察官や女子レスラーなど、状況に合わせ多種多様な「スペシャリスト(職業)」に変身するため、着せ替え要素も楽しめた。
 驚異的な身体能力を持つペルシャは、“ふつうの少女”の枠からはみ出す破天荒さがあり、その動きは激しくコミカルだ。その一方で、かりそめとは言えシリーズの中で最も「大人の恋愛」を経験しており、普段の賑やかさとロマンチックなエピソードとのギャップに魅了されたファンも多い。

 彼女の明るく素直な魅力を引き出したのが、当時すでに声優としてキャリアを重ねていた冨永みーなだ。語尾に「~ですの」などを付ける独特の口癖は、ファンから「ペルシャ語」として愛された。2026年現在、本作は『るるりり』が放送されるまで「シリーズ唯一の本職の声優による主演作」であり、主題歌を主演以外のアーティストが担当したのも、この2作品のみである。

魔法のスターマジカルエミ(1985年)

 第3作『魔法のスターマジカルエミ』では、11歳の少女・香月舞が天才マジシャン「マジカルエミ」へと変身し、華麗なイリュージョンと歌声で人々を魅了する。本作は『マミ』路線に立ち返り、魔法の力でスターとなり華やかな芸能界で活躍する一方で、「魔法そのものが解決策にならない」というリアリズムを持ち、シリーズ随一の深みを見せる。

 舞は「魔法(エミ)によるマジックの成功は自分の実力ではない」と葛藤し、最終回では自らの努力で夢を叶えるため「魔法の返上」を選択する。誰もいないステージで簡単な手品さえ失敗してしまう舞だが、厳しい現実と直面しながらも自らの足で歩き出そうとする強さは、視聴者の胸を強く打った。
 全38話を通じて日常の機微や少女の揺れる心が丁寧に描かれ、こうした演出は後のアニメ作品にも大きな影響を与えた。

 特に、放送終了後に制作されたOVA『魔法のスターマジカルエミ-蝉時雨-』は、タイトルに「魔法」を冠しながら一切変身せず、成長したキャラクターたちの淡々とした夏の1日を描いた異色作だ。しかし、その完成度の高さから「シリーズ最高傑作」との呼び名も高い。
 主題歌『不思議色ハピネス』で歌手デビューし、エミ(舞)の声と歌唱を担当した小幡洋子の透明感ある声も彩りを添えた。本作は「魔法からの自立」という独自の選択をした魔法少女なのである。

魔法のアイドルパステルユーミ(1986年)

 第4作『魔法のアイドルパステルユーミ』は、絵を描くのが大好きな9歳の少女・花園ユーミが、描いたものが実物として飛び出す魔法のステッキを授かり、スリルと冒険に満ちた日常を送る。

 本作最大の特徴は、前3作の象徴だった「大人の姿への変身」を撤廃し、「描いた絵を実体化させる魔法」へとシフトした点だ。「変身による虚像と現実の狭間」を描くのではなく、等身大の少女が日常のトラブルを自らが解決していく、本作独自の成長劇が描かれた。
 大人の姿を借りることができないユーミは、両親や憧れの男性といった周囲の人間関係に対して、子どもの姿と目線で向き合わなければならない。そのため、大人たちとのコミカルながらも理不尽な衝突や、知恵を絞り困難を乗り越える健気な姿が際立った。

 タイトルに「アイドル」を冠しながらも芸能路線から離れ、独自のファンタジー路線を展開。全25話は当時としては短編だったが、セル画の温かみを生かした精密で愛らしい作画は、今なおファンの間で高い評価を得ている。
 ユーミのビジュアルは歴代主人公の中でも幼い印象を受けるが、80年代後半は「美少女ブーム」の真っ只中。大きな三つ編みやリボンなど、当時の少女カルチャー(ファッション)のアイコンがぎゅっと詰め込まれていた。そんなユーミの声を担当したのは、子役時代から活躍していた志賀真理子。彼女はED主題歌『フリージアの少年』で本格的な歌手デビューも飾っている。

魔法のステージファンシーララ(1998年)

 第5作『魔法のステージファンシーララ』は、前作から12年の時を経て平成に蘇った作品だ。漫画家を夢見る9歳の少女・篠原みほが、魔法のペンとスケッチブックで自分が考えた15歳の洗練された女性「ファンシーララ」に変身し、小学生とファッションモデル(芸能人)の二重生活を送る。『マミ』の「芸能界+変身」という王道の構図へと原点回帰しつつも、魔法で得た華やかな世界より、みほの日常生活や心の機微に重点を置いて描かれた。

 本作が放送された1998年は、携帯電話やインターネットが普及し始める「デジタル社会前夜」にあたる。そのため、ララ(みほ)も芸能事務所の社長から携帯電話(PHS)を渡されるが、他者と簡単に繋がりやすくなった一方で、彼女が抱える「誰にも秘密を打ち明けられない孤独」という描写には、どこかリアルな世相が反映されていた。ちなみに、昭和作が公衆電話、最新作『るるりり』がスマートフォンと、少女たちが手にする通信機器の進化はいつか魔法に追い付きそうな勢いだ。
 魔法を失う理由も異質で、使命の完遂や返上ではなく、魔法道具の「喪失」である。ファーストコンサートが成功し大喜びした直後の悲劇で、みほがララになれないことで仕事や仲間を失い、何もできない無力な子どもとして携帯を握り泣きじゃくる姿は、観る者の胸を締め付けた。

 当時はデジタルアニメへの過渡期にありながら、セル画の魅力を引き出した映像美も大きな特徴だ。本作のキャラクターデザインには『マミ』以来となる高田明美が再起用されたが、マミの「ふわり」としたパステルカラーとは異なり、ララはスタイリッシュでビビットな色遣いによって、都会的な大人の女性として描かれている。

 ララ(みほ)の声と主題歌を担当した大森玲子は、当時現役の中学生タレントであり、劇中でみほの揺れ動く心をリアルに表現した。全26話とこちらも短編ながら、視聴者の記憶に深い余韻を残す作品だ。

 時代を映しながら、時代を築き続けた「ぴえろ魔法少女シリーズ」。それぞれが物語の中で独自の進化を遂げ、ひとつの完結した世界を創りながらも、その根底に流れる共通テーマこそが、観る者の心を癒す“魔法”なのだ。

文:高塔琳子

「ぴえろ魔法少女シリーズ POP UP STORE ~ときめきフォトスタジオ~」イベント概要

【開催場所】新宿マルイ アネックス 2F イベントスペース(東京都新宿区新宿3-1-26)
【開催期間】2026年6月6日(土)~6月21日(日)
【営業時間】
【平日】11:00~20:00
【土・日】10:30~20:00(最終日は19:00 まで)
※営業時間等は新宿マルイ アネックスに準じて変更になる場合がございます。

「ぴえろ魔法少女シリーズ POP UP STORE ~ときめきフォトスタジオ~」特集ページ

<発売情報>

魔法の天使クリィミーマミ 40th Anniversary Blu-ray BOX(特装限定版)
2026年4月29日発売
税込価格:¥39,600
品番:BCXA-2044
 

魔法の妖精ペルシャ 40th  Anniversary Blu-ray BOX
2026年6月24日発売
税込価格:¥39,600
品番:BCXA-2045
 

魔法のスターマジカルエミ 40th  Anniversary Blu-ray BOX
2026年8月26日発売
税込価格:¥36,300
品番:BCXA-2046
 

魔法のアイドルパステルユーミ 40th  Anniversary Blu-ray BOX
2026年10月28日発売
税込価格:¥30,800
品番:BCXA-2047

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ぴえろ魔法少女4作品 Anniversary Blu-ray BOX発売決定!! 『魔法の天使クリィミーマミ』 がBlu-ray BOXを新規デザインにて発売!『魔法の妖精ペルシャ』『魔法のスターマジカルエミ』『魔法のアイドルパステルユーミ』初Blu-ray BOX化決定!

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https://pierrot.jp/magicalgirls/
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『魔法の天使クリィミーマミ』・『魔法のスターマジカルエミ』・『魔法のアイドルパステルユーミ』
©ぴえろ
『魔法の妖精ペルシャ』
©青沼貴子/集英社・ぴえろ
『魔法のステージ ファンシーララ』
©ぴえろ・バンダイビジュアル

2026/05/22
『GEAR戦士 電童』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【名作ヒストリー】

『GEAR戦士 電童(以下、『電童』)』は、2000年10月より全38話で放映されたサンライズ制作によるテレビアニメーション作品。当初より玩具とのタイアップのもと企画された作品で、電動で四肢のタービンが回転する主役ロボットの電童とライバルロボットの凰牙、そのタービンの回転をコントロールするギアコマンダー、電童と凰牙の強化パーツとなりタービンの回転によってアクションを行うデータウェポンという3カテゴリーのアイテムが連動する電動玩具シリーズとして展開された。70年代より始まった玩具会社とのタイアップによるロボットアニメも主流ではなくなり、20世紀最後のロボットアニメともなった。

▲キービジュアル

しかし、懐かしい巨大ロボットアニメの良さを残しつつも、21世紀に向けての新たな試み、施策なども行われ、新たなる魅力を引き出した。特に映像的に顕著なところで、第26話よりフルデジタル作品に移行したことが上げられる。当初は、エフェクト表現や、電童のパワーアップアイテムにもなる電子の獣・データウェポンの3DCGモデルを使用するなどのデジタル処理を取り入れたシーンもあったが、基本はセル画を使用した昔ながらのアナログな手法で制作されていた。しかし、第26話からはデジタル彩色に変更されるなど、アナログとデジタルの過渡期にあった変化が見られるという点にもおいても貴重な作品と言える。

▲左:第3話の電童/右:第32話の電童

監督は『新世紀GPXサイバーフォーミュラ(以下、『サイバーフォーミュラ』)』シリーズの監督を務めた福田己津央。『サイバーフォーミュラ』のOVAシリーズが長期にわたり続いていたため、レース物の印象の強い福田監督であったが、『魔神英雄伝ワタル』や『勇者エクスカイザー』など子供向けロボットアニメの演出も数多く手がけている。外連味(ケレンミ)のある演出にも定評があり、テレビシリーズの監督としては約10年ぶりのカムバックとなった。また、シリーズ構成に両澤千晶、キャラクターデザインに久行宏和、総メカ作画監督に重田智、音楽に佐橋俊彦など『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』OVAシリーズの主要スタッフが脇を固め、テレビシリーズながらもスピーディなストーリー展開は、新たな時代の息吹を感じさせるものがあった。福田監督はこの後、大ヒットとなった『機動戦士ガンダムSEED』を手掛けており、『電童』スタッフの多くもこれに参加、『電童』で培われた作風、手法、様々な要素が盛り込まれている。そんな原点を知るという意味でも『電童』には見逃せないポイントが多い。

 物語は、機械帝国ガルファの侵攻に対して、目覚めた巨大ロボット電童によって選ばれた小学5年生の少年、出雲銀河と草薙北斗がガルファの攻撃から地球を守るという王道の構造。しかし主人公のひとり銀河は、偶然にも電童のパイロットに選ばれてしまった少年、もうひとりの北斗はその出生が電童とも関わる運命のパイロットであるなど、王道の主人公要素をふたりに振り分けることで、2パターンの王道を両立させる建て付けにもなっている。

▲左:負けん気の強い活発な銀河/右:冷静で慎重な知性的な北斗

▲時には衝突しながら協力して機械帝国ガルファと闘うふたり

 主役ロボット電童は、両手脚に巨大なタービンドライブを備えたデザインが特長で、そのタービンを回転させながら格闘アクションで戦う。また、巨大な動物型のメカ、電子の聖獣データウェポンを「インストール」することで、武器として装備することが可能。一撃で敵を撃破する必殺技「ファイナルアタック」は大きな見どころとなっている。しかし、ファイナルアタックの使用後は、電童のエネルギーが“0”になるという弱点が露呈。エネルギーの消耗を考慮した作戦が行われるなど、データウェポン獲得後にはまた新しいバトル展開を見せた。さらに電童のエネルギーを象徴するのが背中に搭載された巨大な電池・ハイパーデンドーデンチであるが、この電池を交換することで継続した戦闘が可能となるため、中盤からはこの電池交換に至るまでの展開がさらなるドラマを生み、バトルにも飽きさせない展開が目白押しであった。

▲左:タービンの回転が特徴的な電童の技
 中央:ハイパーデンドーデンチ換装シーン
 右:電童 ファイナルアタック

 また、データウェポンは非戦闘時には「エイリアス」と呼ばれるホログラム状態で主人公たちの前に現れ、相棒、ペットのような存在として心を通わせていく。これは、当時メインターゲットである子供たちの興味が、巨大ロボットへの憧れから、一緒に友情を育む相棒的な存在へとシフトしていったことへの影響でもあり、データウェポンはその対象となる存在としても位置付けられた。主人公の相棒であり、巨大ロボットの武器でもあるデータウェポンは、20世紀と21世紀を繋ぐ要素にもなったのではないだろうか。

▲左:エイリアス状態のデータウェポン ユニコーンドリル
 右:エイリアス状態のデータウェポン レオサークル

 最後に『電童』における実質的なヒロインといえるのが北斗の母・草薙織絵ことベガであることが上げられる。普段は茶店を経営しているが、裏では地球防衛組織GEARの副指令を務めている。類まれなる身体能力を持ち、生身でガルファの機獣にも挑むという勇ましい女性で、電童のライバル機となる騎士GEAR凰牙を操るガルファの黒騎士アルテアの妹であるという様々な要素が盛り込まれたキャラクターとなっており、『電童』といえばベガというほどの象徴的な存在にもなっている。

 これまで当たり前と思われていた設定でも、視点を変えることによって、新たな見え方になる。そこが懐かしくもあり、新しい魅力となっており、『電童』が今でも心に残る作品となり、25年が経った今でも続編となる小説が展開されるのではないだろうか。

文:栗原昌宏

<関連情報>

『GEAR戦士電童 METEOR』(読み方:ギアファイターデンドー メテオ)

公式サイトにて連載中!
▼GEAR戦士電童 公式サイト
https://www.dendoh.net/

GEAR戦士電童 25周年を記念したスペシャルアイテム
「AMAKUNI機神 焔 GEAR戦士電童」が予約受付中!

放送開始より25周年を迎えたスーパーロボットアニメーション『GEAR戦士電童』より、「GEAR戦士電童」がアクションフィギュアで登場。
現在ホビージャパンオンラインショップ限定で予約受付中。
▼ホビージャパンオンラインショップ
https://hobbyjapan-shop.com/

アニメ作中のイメージを基軸にしつつ、力強いマッシブなシルエットを再構築。
電童の持つ魅力はそのままに、圧倒的な存在感を放つ姿へと仕上げました。

劇中の拳法アクションを余すところなく再現できる圧倒的な可動性能、全高約24cmのビッグスケールボディに、亜鉛合金を採用することで、安定した可動と重量感を両立。
ハイパーデンドーデンチの差し替え、両腕・両脚タービンの可動など、ギミックも満載。

今こそキミの手で、コマンドインストール!

[商品概要]
■商品名:AMAKUNI機神 焔 GEAR戦士電童
■価格:46,200円(税込)
■発売予定:2026年10月~11月
■素材:ダイキャスト、ABS、PVC、PA、POM
■付属品:差し替え用フェイスパーツ、アカツキの大太刀、専用台座
■サイズ:NONスケール、頭頂高約24cm
■デザインコーディネート:Koma
■原型製作・設計:インコ先生
■彩色見本製作:大豆亭
■製造:フレイムトイズ
■造形プロデュース:AMAKUNI(https://amakuni.info/)
■発売元:ホビージャパン


▼GEAR戦士電童 公式サイト
https://www.dendoh.net/
▼GEAR戦士電童 公式X
@Dendoh_Official / ハッシュタグ #GEAR戦士電童25周年 #GEAR戦士電童 #dendoh

© サンライズ

2026/04/22
『地球少女アルジュナ』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【名作ヒストリー】

固定観念を疑って「いのち中心」で生きるために

 『地球少女アルジュナ』は、2001年1月からテレビ東京系で放送された全13話(第九章「生まれる前から」は未放映)のオリジナルアニメだ。「マクロスシリーズ」で知られる河森正治が原作・シリーズ構成・監督を担当したサテライト初の元請け作品で、地球環境への社会的な問題提起の激しさで知られる。ヒンドゥー教の『バガヴァッド・ギーター』を参照して制作された点でも異色の作品である。

 まず基本設定から紹介していこう。主人公は、普通の女子高生・有吉樹奈(ジュナ)である。恋人の大島時夫とバイクのツーリング中、事故に巻きこまれて臨死状態となったことをきっかけに少年クリスのテレパシーで呼びかけられ、「時の化身」として覚醒する。オーラスーツを身にまとうジュナは宙を飛び、怪物的な存在ラージャと弓矢で対峙することになるのだが……。

場面1

 と紹介すると、変身美少女のバトルアニメと錯覚されるかもしれない。映像は実に華麗だ。サテライトが得意とするCGとデジタル撮影の融合に加え、3Dモーション監修は板野一郎が担当し、クライマックスでは守護神アスラの高機動戦闘もあってビジュアルの迫力も素晴らしい。キャラクターデザインの岸田隆宏たち実力派アニメーターが結集し、バトルやアクションシーンのみならず、自然や生活描写などの作画面でも実に充実、さらに音楽も菅野よう子が手がけていて、重層的に作りこまれた作品世界が描き出されていく。

 ところが始まってすぐ、本作の一筋縄ではいかない側面が見えてくる。冒頭でジュナは〝戦え〟という指示のテレパシーをクリスから受けとったと考え、ラージャを敵性生命体と認知して矢を放つのだが、「愚かな」と叱責を受けてしまう。〝戦え〟とは、ジュナの勘違いだったようなのだ。セリフとして伝えられる言葉は〝正しい〟と受け止めること自体も視聴者の思いこみだと、そこから疑わないといけない作品なのだ。

場面2

 本作はこうしたメタな姿勢に貫かれ、特に「思いこみ」や「分かり合えないこと」への警鐘には大きな比重がおかれている。われわれ現代人が「当たり前」と確信しすぎていることすべてに疑問を投げ、本質まで遡ろうとする意図がこめられている。特に生活の利便さを支える文明の背後に隠されてきた人間中心主義、それが過剰に進歩させたシステムと、結果として訪れている地球環境破壊の危機への懐疑は苛烈だ。他にも巨大発電所事故、薬害、農薬や遺伝子組み換え、生命倫理などを扱ったことで、当時の視聴者からは反発もあった。

 たとえばファストフード(ハンバーガー)の美味しさ、その素材となる農耕や牧畜が、あまりにもシステマチックで生命尊重に反するとも受け取れる描写が、たしかに存在する。

場面3

 それゆえ自然農耕礼賛、文明批判、エコロジー的なメッセージを込めたアニメと受けとられて、当時のアニメ雑誌にも反発の読者投稿が掲載されたほどだ。ところが決して押しつけのメッセージではなく、厳密には「問題提起」が主眼であることは、放送当時のアニメ誌に掲載された河森正治監督の言葉から伝わってくる。

「(10年ほど前に中国を訪れ、内モンゴルやシルクロードの奥地を見るまでは)どちらかというとテクノロジー万歳系でずっと育ってきて、元々メカ好きだったんです。それがいざ、そういったものが無い社会にいった時のカルチャーショックの大きさが、それ以降の作品を作る時にずっと原動力になっています。どちらが良い悪いなんて簡単には決められないし、どちらにも魅力がある。そういう中で、今生きるって何だろう、というのが『アルジュナ』という作品のキーワードですよね。(中略)目にウロコがついて見えなくなっている事はたくさんある。それも想像を絶するくらいついている(笑)。それが落ちた時に見えてくるものは何か? その辺を見極めていくのは、エンターテインメントになり得るんじゃないかと」(月刊アニメージュ、徳間書店、2001年1月号)

場面4

 だから「文明批判だ」と決めつける行為自体も、もしかしたら目のウロコである可能性を、まずは疑っていかねばならない。もしかしたら『アルジュナ』を再見することで、この先ポジティブな発展を始められるヒントが浮かぶかもしれないのだから。

 事実、本作は近年の河森正治の活動にも繋がっている。2025年の大阪・関西万博において、シグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」のテーマ事業プロデューサーを河森正治が務め、コンセプトを詰めた原点は『地球少女アルジュナ』だと公言されている。

 2001年の本作では「大地の叫び」として描かれた現代文明の歪み(環境汚染や生命倫理など)は、万博パビリオンでは「宇宙スケールの食物連鎖、いのちの循環」として発展的に拡張され、さらに「いのちは合体・変形だ!」とアクエリオンシリーズのテーマも交えながら、宇宙・海洋・大地のいのちをめぐる冒険を描くことになった。それは「いのち中心のダイナミズム」の訴求と語られているが、たしかに『アルジュナ』にその萌芽を改めて多く見つけることが可能だ。

 実際に初出から四半世紀が経過した2026年現在、『地球少女アルジュナ』が提示する「問いかけの姿勢」はより身近になり、再考するに値する状況に(残念ながら)なってしまった。東日本大震災で原子力発電所事故が発生し、新型ウイルスが世界に蔓延し、気象変動で大きな水害が発生する。さらに直近では大国による武力による現状変更への野望が進み、石油とエネルギーの危機、つまり70年代のオイルショック再来の可能性が取り沙汰されるまでに至っている。

場面5

 生活の基盤が脅かされる体験を経た現在、『アルジュナ』を介して見えるものは大きくなった。特に本作のクライマックスで描かれる、ありとあらゆる石油製品(プラスチックなど含む)が崩壊し、化繊の衣類が引き裂け、生活水さえ飲めなくなって日本が滅亡に瀕する恐ろしさは、フィクションとは思えないほど身近に迫って感じられる。

 「ここをこう観てほしい」と規定するのではなく、いかようにでも考えられる自由度の姿勢が、予言的な性格を『アルジュナ』にあたえたということかもしれない。アニメの本数が激増する割りに挑戦的で新鮮な企画が目立たない現在、改めて貴重なものだとも思えて仕方がない。本作を肯定するのも否定するのも、すべては観た者、明日を生きる人びとの肩にかかっている。何かを変える行動をするもしないも、選択次第なのだ。

 こう考えたとき、毎回本編の冒頭に出る「今 この星の上に生きる 奇跡」というキーワードは、自己中心、人間中心ではなく「いのち中心」で再考を試みるとき、とても貴重な提言だと感じられるのではないだろうか。

文:氷川竜介(アニメ特撮研究家/ZEN大学教授)

関連記事:ニコニコ生放送にて『地球少女アルジュナ Director's Edition』(全13話)の一挙放送、見放題配信が決定!

地球少女アルジュナDirector's Edition Blu-ray BOX(特装限定版)好評発売中!

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Blu-ray BOX (特装限定版)

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税込価格:¥22,000
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©2001 アルジュナ製作委員会

2026/04/07
『天空のエスカフローネ』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【イマレコ!-今コレをレコメンド!】

濃密で温かみの豊かな異世界ファンタジー

 現在主流の「アニメ作品自体の内容と質で勝負する時代」は、90年代中盤にクオリティ&クリエイティブ重視の作品群によって招来された。テレビアニメ『天空のエスカフローネ』(96)は、そんな時代に生まれた濃厚なテレビアニメである。「ロボットアニメ×ファンタジー×少女マンガ」と、ジャンルを三位一体でクロスオーバーさせつつ、「異世界もの」の中に独自の世界観をつくりあげた点で芳醇な要素がギッシリ詰まっていて、「手づくりの温かみ」にあふれた点でも、ぜひとも再確認すべき作品と言える。

 物語は占いを得意とする陸上部女子高生・神崎ひとみの視点で進む。彼女は空に地球が浮かぶ異世界ガイアを「ビジョン」(予知幻覚)として見てしまう。そこでは人型の巨大機械鎧(ガイメレフ)が剣を交えて重々しく戦っていた。憧れの先輩・天野に告白を決意したひとみは、100m走で13秒を切ったらファーストキスするという条件で全力疾走することになった。ところが剣を構えた少年バァンと巨大な竜が、どこからともなく出現した。ひとみの助言でバァンは竜を倒すことに成功するが、光の柱に飲み込まれたふたりは、ガイアへ転移してしまう。

 「異世界もの」ではあるものの、近年流行の「転生」ではなく、現実との接点と対比を保った「転移」である。ガイアがどのように現実と違うかも、物語の進行とともに明らかになっていく。人間・獣人・竜が共存する点で中世ファンタジー風ではあるものの、実にユニークな世界観なのだ。
 竜神人の血を引くバァンは竜退治の儀を終えたことでファーネリア王国の王位を継承し、伝説のガイメレフ「エスカフローネ」と契約を結ぶ。ところがザイバッハ帝国のガイメレフがステルスマントを身にまとい、不可視となって奇襲をかけてきた。巨大な甲冑風の人型兵器ガイメルフの中に人が乗り込み、剣を交えて戦うことで、ロボットアニメと剣士の戦闘の要素が融合していく。
 ファーネリア王国は滅ぼされてしまったが、ひとみの力が発動し、辺境へ飛ばされてしまう。バァンとはぐれてしまったひとみは、天野先輩に酷似した剣士・アレンに助けられた。ガイアにおける運命の渦に巻き込まれていくひとみだったが、同時にバァンとアレンとの間は三角関係的になっていく……。

 ここまでが最初の3話で描かれていることだ。すでに「少女の恋・占い・ビジョン・異世界転移・王位継承・国家間の殲滅戦・ロボット剣士の激闘・運命 vs 自由意志」と、多様な要素が重層的に編み上げられていることが分かる。ひとみは等身大の少女で、占い以外にチート的な戦闘能力等は備わっていない。それだけに、彼女の悩みは身近な感覚でダイレクトに伝わってくる。
 不安や悩みばかりではあるものの、それでも人と世界に関わっていこうと前向きに努力するひとみの姿が、本作の大きな魅力だ。それは「人の〝想い〟が現実の運命を変える力を持つ」という驚くべき仕掛けが、背後に存在するからなのだが……。

 このユニークなクリエイションには、原作・シリーズ構成・スーパーバイザーを担当した河森正治ならではの才能が感じられる。マクロスシリーズと並行して企画が進んだ本作では、メカとサイエンスの対極にあるものが志向され、同時に複合的な要素をひとつにまとめていく彼の統率力が発揮されている。
 プロデューサーは当時サンライズ所属だった南雅彦である。本作と『カウボーイビバップ』(98)の手ごたえを得た彼は、1998年に独立して制作会社ボンズを設立する。ボンズはProduction I.Gともども、21世紀に大きく発展したアニメビジネスの中でも注目を集めた制作会社だ。その特質は、作画を中心とする手作り感の重視だった。その原点にあたることは、本作の凝りに凝った作風から一目瞭然である。

 結城信輝のキャラクターデザインを、アニメーションディレクターである逢坂浩司(後のボンズ取締役)が複数の作画監督とともに美麗にまとめ、女性ファンを魅了した。山根公利の重厚なメカデザイン、特にガイメレフのゴツゴツとした甲冑感覚は、メカニカルディレクター・メカ作画監督の佐野浩敏によって存在感と迫力が増している。さらにはマントを髪の毛のようになびかせるといった美麗さが加わり、キャラクターとメカの一体感が手描きの作画から伝わってくる。

 テレビ向けの2DCGを多用している点も、本作の特徴だ。地竜の表皮にテクスチャを貼りつけ、ステルスマントの透明化に波紋効果を適用するなど、デスクトップ機材で実現可能な表現を要所要所に採り入れ、濃密なセルアニメ表現にもうひと味加えて、クオリティを高めている。

 特筆すべきは、菅野よう子と溝口肇による劇伴音楽の威力である。ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団による、男声合唱を採り入れた荘厳な音楽は、幻想的な作品に重みと生々しさを加え、アニメ音楽全体の方向性にも大きな影響をあたえている。
 流血をともなう戦争の残酷さ、他者の運命に介入してしまう横暴が描かれるとともに、カウンターとして少女の一途な想いと精神的な成長が全体情況を変えうるという希望も示される。その点で2020年代現在の世界情勢を念頭において視聴することにより、何か閉塞感の突破口も見出せるかもしれない。

 本作の成功により、劇場版『エスカフローネ』(2000年6月24日公開)も制作された。完全新ストーリー、新作画で物語のエッセンスを再構築したアニメ映画である。ガイメレフの生物的表現が増した等、濃密なビジュアルを満喫できる作品だ。別の観点によるテレビシリーズの再話として、こちらもぜひ楽しんでいただきたい。

文:氷川竜介(ZEN大学教授/アニメ研究家)

天空のエスカフローネMemorial Blu-ray BOX(期間限定生産)
好評発売中!

<発売情報>

Memorial Blu-ray BOX(期間限定生産)
2026年3月25日発売
税込価格:¥41,800
品番:BCXA-2010

▼作品公式HP
https://www.escaflowne.jp/
▼サンライズワールド 公式X
https://x.com/sunriseworld_pr / 推奨ハッシュタグ: #エスカフローネ

©サンライズ
©2000 サンライズ・バンダイビジュアル

2025/11/21
『ガールズ&パンツァー 劇場版』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【イマレコ!-今コレをレコメンド!】

 2012年、TVアニメシリーズとして制作された『ガールズ&パンツァー』。厳格なるミリタリーファンたちが放送開始当初、美少女モノとして拒否反応を見せるかと思いきや、瞬く間に手のひらを返すように大絶賛。今やミリタリー×美少女コンテンツの代表ともいえる作品として認知されるまでに至った傑作アニメである。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』場面1

 戦車乗りを題材とすると血なまぐさい内容となりそうだが、本作は“戦車道”なる乙女のたしなみとした健全かつ安全なスポーツとして戦車戦が描写されるという異色の内容。
 これだけ聞けば、さぞ堅物ミリオタ(ミリタリーオタク)たちの怒りを買いそうなものだが、戦車そのものの考証や機能特性をリアルに表現したところに本作の真髄がある。従来の手描きアニメでは、その再現が難しかった無限軌道の履帯の動き、車体のフォルムや細部のディテールが、CGによって描き込まれたことで戦車ファンの琴線に触れただけでなく、ほんわか女子高生たちが繰り広げる心温まるハートフルなドラマが融合し、独自の世界観を創り上げた。そのことで、既存の美少女アニメファン以外にミリオタまでをも取り込むことに成功した好例となった作品である。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』場面2

 物語は、戦車道から離れるべく大洗女子学園に転校したはずの主人公・西住みほが、ひょんなことから再び戦車に乗ることになり、やがて、学園の存亡をかけた戦車戦が始まっていく。そこで生まれる仲間との絆や、戦車道を通して生き方を見つけていく女子たちの胸打つストーリーはアニメだけにとどまらず、コミックをはじめとしたメディアミックス、ゲームやラジオ配信、イベントなどガルパンワールドは広がりを見せていく。
 そして話題が盛り上がる中、TVシリーズでは一瞬しか語られなった戦車道全国高校生大会2回戦目のアンツィオ戦の詳細が描かれた新作OVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』を2014年7月に劇場上映。
 次いで翌2015年11月には、みほたちが駆るⅣ号をはじめとする戦車たちが多くのファンの期待を背負い、『ガールズ&パンツァー 劇場版』となって映画館の大スクリーンに再び進撃を開始!
 『劇場版』では、TVシリーズ最終話にて危機を脱したはずの大洗女子学園の廃校が決定する、という絶対の危機が訪れる後日談が描かれた。学園廃校のピンチを回避するには、社会人チームをも打ち破った大学選抜チームに大洗女子チームが勝つしかない! しかし、今度の試合は殲滅戦。30輌を駆使する大学選抜チームに対し、対する大洗女子学園には8輌しか戦車がない。その圧倒的な不利な状況の中に現れたのは、かつてのライバルたち。彼女らはこの窮地に急遽大洗女子学園に短期転校(笑)して参加、質、量ともに互角になったと思われたのだが……。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』場面3

 大学選抜チームを率いるのは、島田愛里寿。彼女は、OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』でのセリフにあった、戦車道家元のひとつ“島田流”を継ぐ者として天才少女ぶりを発揮。翻弄される主人公・西住みほは、大洗女子チームを伴い愛里寿に挑んでいく。クライマックスでは、西住流を継承する姉の西住まほと共に、戦車同士の超格闘戦へと突入していくのだ。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』場面4

 さらに、『劇場版』となったこともあり、活躍する車輌がTVシリーズ以上にマニアックに。本作からアニメ初参戦となる、知波単学園の使用する旧日本軍の九五式軽戦車、九七式中戦車、継続高校の使うフィンランド軍のBT-42突撃砲と、戦車プラモ愛好家くらいしか知らないであろうセレクションが憎らしい。TVシリーズでは、クライマックスに登場した試作超重戦車マウスにも驚かされたが、今回はさらなる隠し玉として、米軍の試作重戦車T28が登場。この車両は独自のギミックを搭載し、その特異な機構を活かした行動など、戦車野郎が泣いて喜ぶ演出が、エキサイティングなドラマとの相乗効果で激熱展開を魅せてくれる。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』場面5

 だが、劇中には、これをも上回るトンデモ兵器まで出現! “これを戦車と言っていいのか?”と誰もが思う(劇中でも同様のセリフあり/笑)、驚愕車輌も出現し、大洗女子チームは窮地に追い込まれていく展開は、手に汗握ること間違いなし。
 また、グレードアップしたのは登場した戦車の種類だけではなく、繊細かつ精密なアニメーションでさらなるリアリティを追求。大画面に負けない迫真のメカ描写が迫力を増す。音響面でも、砲撃音や走行音だけではなく、避弾経始(戦車に砲弾が直撃せず弾き飛ばされる)における現実味ある衝撃音(本来は、この音だけで乗員は気絶したりする)などは威圧感すら感じられ、オーケストレーション編成によるBGMと併せて臨場感は最高潮へ達するのである。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』場面6

 が、本作で最も注目すべきは、主人公の西住みほのナイーブな心情を描くドラマ部分にある。TVシリーズで描かれた「成長する彼女」から、本作における彼女自身が自己形成していく様は、確執が続く頑な母の心にも変化を与え、観る者の心を打つ。そのドラマ性が、本作を単なる美少女モノから脱却させ、ミリオタをも感動させる名編たるものにしたのは明白だろう。

 そんな本作は、劇場公開してから早くも10年を迎える。それを記念して、「『ガールズ&パンツァー 劇場版』10周年記念上映~バリエーションちょい増し作戦です!~」が2025年11月から記念上映されることも決定。初の4Kアップコンバート版やMX4D版などを含めた様々な形式で、そしてなにより再び劇場の大スクリーンで本作を観るチャンスが到来する。銀幕でしか得られない映像情報が堪能出来るこの機会を逃さぬよう、ぜひ劇場へパンツァー・フォー‼

文:中村宏治

『ガールズ&パンツァー 劇場版』10周年記念上映~バリエーションちょい増し作戦です!~
絶賛上映中!

『ガールズ&パンツァー 劇場版』10周年記念上映~バリエーションちょい増し作戦です!~ ビジュアル

■実施日時
2025年11月21日(金)~
※限定上映

■上映形態
4K版/Dolby Atmos版/4DX版/MX4D版

■上映館
全国175館
▼上映館の詳細は公式サイトをチェック!
https://girls-und-panzer.jp/theater-the-movie-screening/

※今後上映館が増える可能性がございます。公式サイトにてご確認ください。
※劇場により上映形態が異なります。詳細は公式サイトをご確認ください。
※Dolby Atmos 版、4DX 版、MX4D 版の鑑賞については通常の鑑賞料金の他に追加料金がかかります。

「ガールズ&パンツァー 劇場版 10th Anniversary 4K ULTRA HD Blu-ray」発売決定!

「ガールズ&パンツァー 劇場版 10th Anniversary 4K ULTRA HD Blu-ray」BOX

▲島田フミカネ描き下ろし収納BOX

ガールズ&パンツァー 劇場版 10th Anniversary 4K ULTRA HD Blu-ray(特装限定版) 2026年2月25日(水)発売

ガールズ&パンツァー 劇場版 10th Anniversary 4K ULTRA HD Blu-ray(特装限定版)

◆税込価格:¥8,580
◆品番:BCQA-0027
◆スペック:UHD BD:約135分(本編約120分+特典約15分)+特典BD:約25分
UHD BD:HDR/Dolby Atmos・リニアPCM(ステレオ)・ドルビーデジタル(ステレオ)/HEVC/100G/16:9<2160p Ultra High Definition>/バリアフリー日本語字幕付(ON・OFF可能)
特典BD:リニアPCM(ステレオ)/AVC/25G/16:9<1080p High Definition>

発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス


TVシリーズ&OVA&「劇場版」公式サイト
http://girls-und-panzer.jp

「最終章」公式サイト
http://girls-und-panzer-finale.jp/

ガールズ&パンツァー 公式X
@garupan

© GIRLS und PANZER Film Projekt

2025/10/31
テレビアニメ『交響詩篇エウレカセブン』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【名作ヒストリー】

 『交響詩篇エウレカセブン(以下、『エウレカ』)』は、きわめてユニークなアニメ作品だ。『エウレカ』のどこが、そんなに「ユニーク」なのか。まずは、原作のないオリジナル作品であること。ジャンルはロボットが活躍するSFアニメで、放送されていたのは日曜朝7時(ちょうど真裏で放映されていたのが、子供向けの『まじめにふまじめ かいけつゾロリ』だった)。当時も「こんな時間帯にロボットアニメ?」と思わされたのだが、加えて放映期間は1年間(全50話)。今ではほとんど制作されることがなくなった1年物だが、オリジナルでのSFアニメとなると、そこからかなり数が絞られる。

交響詩篇エウレカセブン_場面1

 アニメーションスタジオ・ボンズのプロデューサーとして本作の制作に関わった南雅彦は、毎日放送のプロデューサー・竹田靑滋から1年枠でのオンエアを打診されたときのことを、こんなふうに回想している。
「そもそも80年代のロボットアニメってもっと自由だったと思います。『重戦機エルガイム』や『戦闘メカ ザブングル』といったシリーズは1年ごとに全然違う面白さ、魅力を持っていました。制作費はいまよりずっと少なかったし、当時はビデオパッケージがなく、おもちゃのプロモーション的な意味合いが強かった。(中略)にもかかわらず、いまよりも自由にアニメを作っていたように思います。あの頃の自由さを取り戻せないかと思いましたね」(※)
「80年代のロボットアニメが持っていた自由さ」。それは言い換えれば、メカニックとしてのカッコよさや快感はもちろん、ロマンティックな人間ドラマもあれば、コミカルな展開やギャグもあり、センス・オブ・ワンダーに満ちたSF的要素もあれば、シリアスな問題提起もある。あらゆる要素を貪欲に飲み込んでしまう、そんな枠(ジャンル)としての「ロボットアニメ」とでも言えるだろうか。

交響詩篇エウレカセブン_場面2

 監督を務めたのは、出渕裕監督の『ラーゼフォン』に監督補佐として参加していた京田知己。テレビアニメをもとに再編集、追加シーンを加えた『ラーゼフォン 多元変奏曲』ですでに監督デビューを果たしていたものの、TVシリーズを手がけるのは本作が初。またシリーズ構成を『カウボーイビバップ』や『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』などに各話脚本として参加していた佐藤大、キャラクターデザインを、スタジオジブリ出身で『OVERMANキングゲイナー』などに参加した吉田健一が担当した。当時まだ30代半ばで、若手とは言えないものの、決してベテランではない彼らの、若い感性が生み出す新たなSFアニメ。南プロデューサーは、このスタッフィングについて「『(機動戦士)ガンダムを見てきた世代が作る、俺たちの『ガンダム』を意識した」と語っている。

交響詩篇エウレカセブン_場面3

 その「若い感性」は例えば、キャラクターやメカの名称にも表れている。主人公の少年・レントンの名前は、ダニー・ボイル監督の映画『トレインスポッティング』から採られ、リフボードを使って空を滑空する人型機動マシン・LFOは、イギリス出身の同名テクノ・バンドから(ちなみに、主人公機であるニルヴァーシュをデザインしたのは河森正治)。ほかにも、レントンが合流することになる反政府組織・ゲッコーステイトが自分たちの雑誌「ray=out」を発行しているという(一見、突飛にも思える)設定は、アメリカのヒップホップグループ、ビースティ・ボーイズが自主制作した雑誌「グランドロイヤル」を連想せずにはいられないし、各話サブタイトルにはテクノやニュー・ウェーブ、ロックの曲名が引用されている。そのほか、例を挙げていけばキリがないのだが、10~20代の頃に影響を受けたカルチャーを反映しながら、自分たちなりのアニメを作る。それは例えば(河森がメインスタッフとして参加した)『超時空要塞マクロス』がアイドルやラブコメなど、当時の若者文化を参照しつつ作品世界を練り上げたのと、同じ試みにも思える。

交響詩篇エウレカセブン_場面4

 しかも、そうしたディテールを随所に散りばめながら『エウレカ』が語ろうとするのは、世界の変容をめぐる壮大かつファンタスティックなビジョンであり、驚くほど真っ直ぐなボーイ・ミーツ・ガールの物語である……というところに、本作の最大の魅力がある。偶然、出会った少女・エウレカに導かれて、故郷を飛び出したレントン。憧れの対象だったゲッコーステイトの面々と、世界のあちこちを飛び回るうちに、彼は理想と現実を隔てる壁にぶち当たり、思い悩む。しかもその旅が先に進むにつれて、普通に暮らしていたときには知るはずもなかった世界の真実が次第に明らかとなり、しかもその真実によってレントンは、愛する人・エウレカとの絆を試されることになる。傷つき、苦悩しながらも、少しずつ少年から大人へと成長していくレントン。そして、そんな彼を次第に受け入れ、大きな決断を下すエウレカ。長くつらい旅の最後に2人を待ち受ける光景には、きっと胸を締めつけられるはずだ。

(※)「CONTINUE」Vol.27、太田出版、2006年

文:宮 昌太朗

「交響詩篇エウレカセブン20周年記念展」チケット10月31日より発売中!

TV アニメ「交響詩篇エウレカセブン」の放送 20 周年を記念し、「交響詩篇エウレカセブン 20 周年記念展」を有楽町マルイにて開催いたします。キャラクターやメカニックの設定資料をはじめ、名台詞・名場面・フォトスポットとともにストーリーを振り返るコーナーやニルヴァーシュの立像、歴代の遊技機も展示します。本展示会オリジナルの描き下ろしイラストを使用したグッズの発売も予定しています。

【イベント概要】

■会期:2025 年 12 月 12 日(金)〜2026 年 1 月 4 日(日)
※2025 年 12 月 31 日(水)〜2026 年 1 月 3 日(土)は本展覧会は休場となります。
■場所:有楽町マルイ 8 階イベントスペース
■開催時間:11:00〜19:00(最終入場 18:30)
■展覧会公式HP:https://cb-event.net/e7_exhibition
■展覧会公式 X:@e7_exhibition
■主催:「交響詩篇エウレカセブン 20 周年記念展」実行委員会
■協力:「交響詩篇エウレカセブン」製作委員会、株式会社バンダイナムコセブンズ、サミー株式会社

<発売情報>
TVシリーズ 交響詩篇エウレカセブン Blu-ray BOX1 特装限定版
交響詩篇エウレカセブン_Blu-ray BOX1展開図

TVシリーズ 交響詩篇エウレカセブン Blu-ray BOX2 特装限定版<最終巻>

響詩篇エウレカセブン_Blu-ray BOX2展開図

好評発売中
価格:各¥19,800(税込)


「エウレカセブン」シリーズ 公式サイト
https://eurekaseven.jp/

「エウレカセブン」シリーズ 公式X
@EUREKASEVEN_PJT

©2005 BONES/Project EUREKA

2025/10/27
『舞-乙HiME』[特集サイト「プレイバックエモーション」]【名作ヒストリー】

 夜空に浮かぶ巨大な月からカメラがゆっくりと下りてくると、炎に包まれた城と逃げ惑う人々の姿が現れる。その暗闇にぬっと現れる不気味な怪物。「姫を捜せ!」と叫ぶ男に続いて、カメラは侍女らしき女性の姿を捉え、林を抜けた彼女は幼子の入ったかごを密かに川に流す。……そこから場面は切り替わって、14年後。どこまでも続く砂の海が現れると、マントを被った行き倒れの少女の横を、巨大な客船がゆっくりと通り過ぎる。透き通った青空には、クーラックと呼ばれる白い綿毛のような生き物の群れ。そのファンタジックな風景に、人々の目は自然と奪われる……。
 前作『舞-HiME』の放映終了から約半年後の2005年10月にスタートした「舞-HiMEプロジェクト」の第2弾『舞-乙HiME』は、いわゆる「続編」とは異なる、ユニークな位置づけのオリジナルアニメだ。現代日本をベースにした『舞-HiME』に対して(前述した導入からもわかる通り)本作で採用されているのは中世ヨーロッパ風の舞台設定にSFの要素を採り入れたハイブリッドなファンタジー世界。タイトルにもある「乙HiME(オトメ)」は王族や大統領など、要人の警護やアドバイザーを務める存在なのだが、ナノマシンによって強化されたその身体能力は、一国の軍事力に相当するとも言われている。いかにもファンタジー的な意匠と、ナノマシンのようなテクノロジーが「失われた技術」として同居する世界観(物語が進むにつれて、舞台となっている「惑星エアル」が遥か昔に地球から渡ってきた移民たちの星であることが判明する)もまた、本作の大きな魅力だ。

舞-乙HiME場面1

 いわば世界観やストーリーを一新し、まったく新しい構想のもとで制作されたのが、この『舞-乙HiME』ということになるのだが、面白いのは『舞-HiME』のキャラクターが、前作とは異なる役割と関係性で登場するところだ。前作に続いて監督を務めた小原正和は、インタビューでこう話している(※)。
「続編をやるとしたら、ストーリーは完全に別物で、同じキャラクターを出すにしても、そのポジションをアナグラムのように入れ替えていこう、というアイデアはありました。(中略)要するに、キャラクターを女優に見立てて、ひとつの劇として成立させるんだというコンセプトですね」

 「アナグラム」という監督の表現は、じつに言い得て妙。例えば、前作のメインキャラクターのひとりである玖我なつきは、本作では主人公たちが通うオトメ養成学校・ガルデローベの学園長、ナツキ・クルーガーとして登場し、そんなナツキを支える補佐役、シズル・ヴィオーラとして前作の藤乃静留が現れる。ほかにも、前作ではヒーローオタクな熱血漢だった杉浦碧がこちらでは「呪われた民」として人々から忌み嫌われている集団・アスワドの頭領として出てきたり、はたまた前作の主人公・鴇羽舞衣(と美袋命=猫神様のミコト)が物語に決定的な契機をもたらすキャラクターとして登場したり。本作だけでも単独の作品として十分に楽しめつつ、前作を知っていれば「あのキャラがこっちではこんな役回りに!?」と、また違った角度で楽しめるのが『舞-乙HiME』のユニークなゆえんだ。

舞-乙HiME場面2
舞-乙HiME場面3

 そんな具合に、前作から引き続き顔を見せる華やかなキャラクターたちに囲まれつつ、本作はオトメになることを夢見る主人公、アリカ・ユメミヤと仲間たち――ガルデローベという乙女の園に集う少女に襲いかかる試練と運命を、ドラマティックに追いかけていくことになる。
 アリカは、ガレリアという辺境にある自由国境区から、生き別れた母親の手がかりを求めて、ガルデローベにやってきた少女。そこで彼女は、かつて孤児だったところをアルタイ公国の武官、セルゲイ・ウォンに拾われ養子となったニナ・ウォン、そしてガルデローベのあるヴィントブルーム王国の王女、マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームと運命的な出会いを果たす。

舞-乙HiME場面4

 ひょんなことから、オトメとして契約を交わすことになるマシロとアリカ。その一方で、養父のセルゲイに心を寄せるニナと同じくセルゲイに心惹かれるアリカの間に生まれる、切ない恋とかけがえのない友情……。アリカとニナ、マシロの3人を軸に綴られていくストーリーは、恐るべき力を持った「オトメ」という存在がはらむ謎をめぐりつつ、次第に世界全体を巻き込む戦いへと視聴者をいざなっていく。
 わがままいっぱいに育てられた一方で、自分が本物の王女ではないのではないかと思い悩むマシロ。セルゲイへの恋慕のあまり、思いがけない運命に直面することになるニナ。そして、オトメをめぐる真実を知るなかで深く傷つくアリカ。3人の運命が鋭く交差し、世界全体を揺るがす大事件へと発展していく終盤の展開は、まさにドラマティックのひと言。「かわいい」だけでは決して終わらない、熱く燃えるクライマックスは、きっと観る人の心を掴んで離さないはずだ。

舞-乙HiME場面5

(※)週刊少年チャンピオン編集部・編『舞-乙HiME アニメパーフェクトガイド』、秋田書店、2006年

文:宮 昌太朗


<イベント情報>
上映イベント「舞-乙HiME ~20周年記念同窓会~」

【日程】2025年11月16日(日)
【会場】新宿ピカデリー
【実施時間】15:00の回(上映後にトークショー実施)
【登壇者(予定/敬称略)】菊地美香(アリカ・ユメミヤ役)、ゆかな(マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム役)、南里侑香(ジュリエット・ナオ・チャン役)、古里尚丈(司会)
【チケット料金】全席一律4,000円(税込)


<Blu-ray BOX情報 >

「舞-HiME」&「舞-乙HiME」 20th Anniversary Blu-ray BOX(特装限定版)」◆

【商品概要】
発売日:2026年2月25日(水)
品番:BCXA-2011
価格:52,800円(税込)/48,000円(税抜)
スペック:カラー/本編約1430分+映像特典約370分/リニアPCM(ステレオ)・一部ドルビーTrueHD(5.1ch) /AVC/BD50G×10枚/4:3<1080i High Definition>・一部16:9<1080i High Definition・1080p High Definition>/英語字幕付(ON・OFF可能)

※日本語音声のみを収録
※英語字幕は「舞-HiME」「舞-乙HiME」の本編のみ収録
収録内容:「舞-HiME」全26話、「舞-乙HiME」全26話、「舞-乙HiME Zwei」全4話、「舞-乙HiME 0~S.ifr~」全3話
発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます。

【映像特典】
NEW!!▶「舞-HiME ~20周年記念同窓会~」トークショー(夜公演/2024年11月3日開催)
NEW!!▶『舞-HiME』20周年記念PV~Shining☆Days~ver & ~君が空だった~ver
NEW!!▶『舞-乙HiME』20周年記念PV~Dream☆Wing~ver & ~乙女はDO MY BESTでしょ?~ver
※下記特典は、既発商品からの再録となります。
「舞-HiME」
▶アニメ「黒の舞/最後の晩餐」, DVD各巻収録特典アニメ(全26話), 第15話「天翔ける ミ☆ 女子高生」(エンディングノンテロップ版), 第26話「shining☆days」(ディレクターズカット版), ノンテロップオープニング「Shining☆Days」, ノンテロップエンディング「君が空だった」, 各種プロモ映像(プロモーションビデオ 15秒ver.×7種類/プロモーションビデオ 30秒ver.×9種類/プロモーションビデオ 90秒ver.×5種類/プロモーションビデオ 2004春ver./プロモーションビデオ 2004 夏ver./プロモーションビデオ 2004冬ver./キャラクターPV「小さな星が降りる時」/キャラクターPV「進め!愕天王」/キャラクターPV「片恋艶花」/キャラクターPV「Parade」), 「舞-HiME 対 舞-乙HiME 萌え?史上最大の決戦!」, 一気見次回予告

「舞-乙HiME」
▶ピクチャードラマ「乙女の祈り」, DVD各巻収録特典アニメ(全9話), 第26話「Dream☆Wing~夢の在処~」(アバンタイトル&エンディングノンテロップ版), ノンテロップオープニング「Dream☆Wing」, ノンテロップオープニング「Crystal Energy」, ノンテロップED「乙女は DO MY BEST でしょ?」, 「舞-乙HiME」DVD CF集, 一気見次回予告, マテリアライズコレクション, ユメミヤ・アリカデビュー, 「Believe~永遠の絆~」ミュージュククリップ, 「storm」ミュージッククリップ, 舞-乙HiME 総集編 ~夢のアリカ~

「舞-乙HiME Zwei」
▶ノンテロップED「乙女は DO MY BEST でしょ?2007ver.」, 舞-乙HiME Zwei総集編~夢のツヅキ~

「舞-乙HiME 0~S.ifr~」
▶「舞-乙HiME0~S.ifr~」特報, ノンテロップエンディング「Finality blue」「Heart All Green」「ここにあったね」


<書籍情報 >

設定資料集『舞-HiME』&『舞-⼄HiME』 20th Anniversary Book

【商品概要】
発売日:2026年2月25日(水)
受注締切日:2025年12月28日(日)
価格:12,000円(税込)/10,909円(税抜)

仕様:冊子(A4縦判型・2冊/600ページ以上予定)、三方背BOXケース付き
発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス

【収録内容】
Vol.1:ポスター・KV・版権イラスト集
Vol.2:設定資料集【キャラクター/チャイルド/オーファン/美術/カラー設定/絵コンテ(OP,ED)など】
※一部収録内容が変更になる場合があります。

【三方背BOX】
久行宏和(キャラクターデザイン)新規描き下ろし

【受注概要】
A-on STORE(バンダイナムコフィルムワークス公式通販サイト)やプレミアムバンダイ他にて受注中!
▶受注期間:2025年9月19日(金)11時 ~ 2025年12月28日(日)23時59分予定
▶お届け:2026年2月25日(水)以降を予定

A-on STORE・プレミアムバンダイでの2商品同時購入特典は新規録り下ろしドラマCD!

A-on STORE・プレミアムバンダイにて、同時発売の「「舞-HiME」&「舞-乙HiME」 20th Anniversary Blu-ray BOX」と「『舞-HiME』&『舞-乙HiME』20th Anniversary Book」の2商品を一緒に予約・購入いただいた方に、新規撮り下ろしドラマCD「もえろ!メイドのおもてなし♡」をプレゼント!
吉野弘幸(脚本)と古里尚丈(プロデューサー)監修のもと、『舞-乙HiME Zwei(ツヴァイ)』のその後、『舞-乙HiME』の「いつかのあの日」の様子をお届け!

【ドラマCD出演予定】※敬称略
菊地美香(アリカ・ユメミヤ役)、小清水亜美(ニナ・ウォン役)、ゆかな(マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム役)

◆A-on STORE特設ページ:https://a-onstore.jp/shop/my-hime-20th/


「舞-乙HiME」シリーズ 公式サイト
https://www.my-zhime.net/

「舞-乙HiME」シリーズ 公式X
@myhimeofficialz

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