サンライズワールド

2025.11.25
11月22日(土)実施 特別編集版『ウルズハント』/新作短編「幕間の楔」トーク付き上映会 第3弾 オフィシャルレポート

11月22日(土)、新宿ピカデリーにて特別編集版『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント ‐小さな挑戦者の軌跡‐』と、同時上映となった『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』10周年記念新作短編「幕間(まくあい)の楔(くさび)」の公開を記念した、【トーク付き上映会“最後の回”となる第3弾】を実施いたしました!

■11月22日(土)トーク付き上映会 第3弾 オフィシャルレポート

 この日、登壇したのは、両作を手掛けた長井龍雪監督と、『鉄血のオルフェンズ』より、三日月・オーガス役の河西健吾さん、オルガ・イツカ役の細谷佳正さんの3名。約10年の時を経て、再びファンの前に集った、“鉄華団の顔”たちを満員の観客が出迎えた。

MCを務める天津飯大郎さんが最初に注目したのは、3人の衣装。ブラウンのスーツセットアップに身を包む細谷さん、ネイビーのオーバーサイズジャケットを羽織り“三日月らしい着こなし”を披露した河西さん、そして、メカニックデザイン・鷲尾直広さんによるバルバトスのイラストがプリントされたTシャツの上に、鉄華団のマーク等があしらわれたMA-1合わせた長井監督という、それぞれの作品愛が伝わるスタイリングに、会場からは温かい拍手が送られた。

 イベントはまず、10周年記念新作短編「幕間の楔」についてのトークからスタート。TVシリーズ第1期と第2期の間に起きたできごとを描いた本作が、どのようなコンセプトで制作されたのかという飯大郎さんからの質問に、長井監督が回答。作品10周年を記念した新作短編の企画が持ち上がり、スタッフ陣が集まった際に、脚本の岡田麿里さんからは「スーツ」の話、監督は「太刀」の話を描きたいという意見が上がったことから、双方の意見をまとめた上で、TVシリーズ本編では描ききれなかった物語を作った、と語った。河西さんは、第2期でガンダム・バルバトスルプスに改修された際に、武器もソードメイスへと変わった理由が補完されて腑に落ちた、と本作の台本を読んだ際の第一印象を明かした。一方の細谷さんは、作品を長年応援してきたファンに対し、和気あいあいとした仲間内の雰囲気を描いた作品を届けることで感謝の気持ちを伝えたかったのでは、と監督をはじめとするスタッフ陣が新作に込めた思いを汲んだ。そんな細谷さんの言葉を受け、長井監督は、久しぶりに鉄華団のメンバーの物語を描けることが楽しかったことや、最初は5分くらいのショートムービーというオーダーだったが、その尺では収まらないということで、どこまでボリュームアップしていいかを制作サイドと話し合いながら、盛れるだけ盛ってみようという方針で制作されたことを明かした。

 
 
 アフレコについては、長井監督が、ノルバ・シノ役の村田太志さんが気合を入れて、シノのテンションをかなり上げていて、このまま最後までキープできるのか少し心配になった、と収録時のほほえましいエピソードを紹介。河西さんも、久しぶりのアフレコに気恥ずかしさを覚えつつも、10年というブランクを感じさせないキャスト陣の演技に感動したと、振り返った。細谷さんは、TVシリーズ当時は、鉄華団のリーダーとして背伸びをしていたオルガと同じように、マクギリス・ファリド役の櫻井孝宏さん、ガエリオ・ボードウィン役の松風雅也さん、ラスタル・エリオン役の大川透さんや、アミダ・アルカ役の田中敦子さんといった名だたるベテラン声優陣と肩を並べて演技をする中で、精神的な背伸びをしていたが、今回は同窓会のようで、自然体でアフレコに挑めたと、10年という歳月による自身の変化についても語った。
 

 続いて「幕間の楔」のエンディングについて。今回キャラクターデザイン原案・伊藤悠さん描き下ろしのイラストが使用されたエンディングに上映後の会場では涙ぐむお客さんもいらっしゃる中、成長したライドがペンキを塗っている様子がかかれていたのが、新作短編を見てからだとぐっとくるものがあった、という細谷さんからの言葉を受けて、河西さんからも、こういった形で暁(あかつき)の姿を見ることができて三日月役の自分としてもすごく良かった、と語られ、会場は暖かい空気に包まれた。


 
 
 そして、特別編集版『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント ‐小さな挑戦者の軌跡‐』についても、その魅力を紹介。スマートフォンアプリ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズG」内で配信されていた同作も手掛けた長井監督は、鉄華団の話が重厚だったことから、ライトな雰囲気で世界観を楽しんでもらえたら、というコンセプトで誕生した作品であることを明かし、キャラクターたちがまとう明るくポップな雰囲気の理由を説明した。
河西さんは、『ウルズハント』らしい明るい雰囲気の楽曲がたくさん使われていたことが印象に残っている様子で、細谷さんも、賞レースに参加して宝探しをするというテーマが真ん中にきているというところもすごくバランスが良いんだろうなと感じた、と作品から受けた印象を語った。
 


 
 インフォメーションコーナーでは、入場者特典や主題歌情報などに続き、2026年2月15日に立川ステージガーデンで開催される鉄血10周年のフィナーレイベント「鉄華の祝祭」の情報を紹介。新たにライド・マッス役の田村睦心さんの参加もアナウンスされ、総勢10名のキャストによる10周年ならではのトークや、臨場感あふれる生アフレコに加え、アーティストによる音楽ライブなどが予定されており、絶賛チケット予約受付中だ。

 イベントの締めくくりに、登壇者からファンに向けて、熱いメッセージが届けられた。細谷さんは、短い映画ではあるけれど、多くのファンに10年間応援し続けてもらえた事実のようなものが形になり、映像作品として届けられ、そこに参加できたことは幸運だと思う、と客席に感謝を伝えた。河西さんも、10年という歳月をキャスト陣と共に駆け抜けてもらえたことで、「幕間の楔」や『ウルズハント』という作品が誕生したと、ファンに感謝を述べたのち、「次は長編でお会いしましょう!」との呼びかけに、会場からは大きな拍手が沸いた。最後に長井監督は、これからの20周年、30周年に向かって、まだまだ力を尽くしていたいと、今後の展開も期待できるコメントを残した。スタッフ・キャスト陣の意欲的な姿勢を後押しする、温かな拍手が客席から送られる中、イベントは幕を下ろした。


 
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