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2025.11.11

「装甲騎兵ボトムズ総合模型演習2025」内覧会レポート

 

高橋良輔監督が手掛けたリアルロボットアニメの名作『装甲騎兵ボトムズ』をテーマにした、大規模な模型立体物による展示会「装甲騎兵ボトムズ総合模型演習2025」が2025年11月7日(金)〜12月7日(日)まで、東京・北千住マルイ7Fイベントスペースにて開催中。本イベントは、凄腕モデラーによる迫力のディオラマから、一般参加による作例展示まで『装甲機兵ボトムズ』の立体物を生で見て楽しめるものとなっている。モデラーたちの熱気が伝わる作例が集結した会場の様子をレポートしていこう。

『装甲機兵ボトムズ』は2023年に放送から40周年を迎え、それを祝う形で開催された「装甲騎兵ボトムズ40周年展」では、劇中の名場面をモデラーたちがディオラマで再現するというこれまでにない展示を行って大きな話題となった。2024年からは「装甲騎兵ボトムズ総合模型演習2024」のタイトルで模型展示を中心としたコンセプトでイベントが継続され、昨年に引き続き今年も『装甲機兵ボトムズ』の立体物を楽しむことができるイベントが開催される運びとなった。
送り手であるクリエイターだけでなく、その思いを受け止めたファンの代表でもあるモデラーたちのアンサーが込められた展示ということも、本イベントだからこその大きな価値だと言えるだろう。
 

 

会場の入口に設置されたデジタルサイネージには、イラストレーターの森下直親氏による本イベント描き下ろしとなるイラスト4パターンが掲示。入場前から気分を盛り上げてくれる。今回のイベントのメインテーマとなっている「レッドショルダー」を中心とした立体物が多く飾られてるいるのも注目すべきポイントだと言えるだろう。
会場に入ると、まずはOVA『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラスト・レッドショルダー』の劇中シーンをイメージした天神英貴氏が描いたキービジュアルを立体再現したヴィネットが出迎えてくれる。ビックスケールで製作された1/12スケールのスコープドッグターボカスタムと元レッドショルダーの4人が語らうフィギュアの共演によって、イラストに描かれたキャラクターたちの息づかいが伝わる作品となっている。

 

 

入口付近は、キービジュアルの立体物を中心に大型ディオラマが多数展示。作品をどの角度から見ても見所がある「円形劇場」を手掛けるWildRiver荒川直人氏のディオラマは、OVA「野望のルーツ」のシーンを作り込んだ新作に加え、その完成度の高さからもう1度見たいという要望に応えた旧作を合わせて7点展示。広めのスペースを活かして全方位を意識した作り込みをじっくりと味わうことができる。
 

 

壁際には、劇中シーンを再現した大型の作品が多数展示されている。
その大きさに圧倒される1/35ギルガメス軍AT揚陸艇と並ぶ形で、有志によるお祭り企画となるテレビシリーズ第1話冒頭の「小惑星リド」の襲撃シーンを展示。
その他に情景師アラーキー氏によるキリコがレッドショルダーカスタムで反撃に向けた準備をすすめるAT格納庫のボックス型ディオラマ、学屋氏によるレッドショルダーの活躍シーン再現、只野☆慶氏による奥行き感を感じさせるディオラマなど、奥行きや立体感など、本物を間近に見るとより驚きが大きい作例が並べられている。

 

 

その先に進むと、イベント恒例の1/12スケールでの大型サイズで作られた巨大ディオラマが登場。今回は、OVA『機甲猟兵メロウリンク』における過去のシーンを再現したもので、本展示会では最大となるディオラマとなっている。手前側には塹壕に隠れながら戦う主人公のメロウリンクが所属するシュウェップス小隊、通路を挟んだ奥側に迫り来る陸戦用ファッティーが並び、ふたつの展示をあわせることでひとつの作品となっている。広めの会場だからこそ可能な展示なので、ぜひシュウェップス小隊の視点を実物で味わって欲しい。
この他にも会場にはプロモデラーたちが気合いを入れて制作したジオラマが多数展示されているので、それらをぜひ会場に来てその目で確かめてみてほしい。

 

 

 会場で発表された大河原邦男氏による描き下ろしATの新規設定である「スコープドッグサンサ戦仕様」も最速で立体化。会場には大河原氏の設定画のパネルが貼られており、立体物と合わせてその姿を確認することができる。

 


その他には、自分の作った1/35スケールのATのプラモデルを持ち込むことで、バトリングフィールドで戦うATの姿を写真で撮影できるコーナーや前回のイベントでも好評だったローラーダッシュで動くディオラマの新作も登場。眺めるだけとは違う立体物の楽しさも味わうことができる。

 
 

奥側の展示スペースには、プロアマが混ざる形での一般参加展示作品やイエローサブマリンコンテスト作品、秋葉原工作室応募作品、瀬川モデリングジオラマ教室作品などボトムズ好きのモデラーたちの渾身の作品が一同に集結。制作者のこだわりや思いが込められたバリエーションの豊かさやマニアックな作例、徹底した作り込みなど、多くの作例が集まるからこそわかるボトムズが持つ模型的な魅力をさまざまな角度から知ることができるスペースとなっている。

 

 
 
立体模型展示スペースの一角には、貴重な原画を見ることが出来るコーナーも設置。ボトムズシリーズのメカデザインを手掛ける大河原邦男氏が描いたBlu-ray BOXのデジパック用に描き下ろされた横長のイラスト、OVA『孤影再び』のキービジュアルに使われたキャラクターデザイナーの塩山紀生氏の手掛けた原画と影付け指定が展示されている。

 

 

さらに、今回は2026年に40周年を迎えた高橋良輔監督作品である『蒼き流星SPTレイズナー』のコーナーも設置。会場で販売されるガレージキットなどの立体物に加えて、メカデザインを担当した大河原邦男氏のTV放送40周年を記念した設定集「蒼き流星SPTレイズナー CHRONICLE」などのイラスト原画が展示されている。ボトムズ関連の立体物と一緒に、こちらの貴重な展示にも目を向けて欲しい。

 


物販コーナーでは、会場限定アイテムを含めたガレージキットを販売。販売アイテムの塗装制作見本もズラリと並べられ、ラインナップの豊富さにも驚かされる。ほかでは入手が困難なアイテムを手に取ることができるのもこのイベントの大きな魅力だ。
この他にも会場限定のWAVE 1/35スコープドッグレッドショルダー、特別冊子「ボトムズマガジン2025」、プロモデラー野本憲一監修によるガイアノーツ製模型用ボトムズカラーなどをはじめ、キービジュアルや描き下ろしイラストを使用した商品などがラインナップされている。
ボトムズの立体物を集めた展示イベントとしては物量ともに最大級となっていることは間違いない。ぜひ、会場に足を運んで、未だに衰えることなく盛り上がり続けるボトムズ熱を浴びて欲しい。

 

装甲騎兵ボトムズ総合模型演習2025
期間 : 2025年11月7日(金)~12月7日(日)
場所 : 北千住マルイ7F イベントスペース

一般入場券:大人 2,100円(税込)

限定グッズ引換券:2,200円(税込)
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チョイプラスコープドッグ リーマン機(レジンカラー)
プレイガイド イープラス https://eplus.jp/votoms2025.kitasenju/ 
当日券は会場でも販売中

※イベントの詳細は「装甲騎兵ボトムズ総合模型演習2025」特設サイト <https://www.sunrise-world.net/event/011.phpでご確認ください。