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2025.06.06

「描く人、安彦良和」青森県立美術館にて安彦さん×庵野さん、安彦さん×高千穂さんトークイベントが開催されました

キャラクターデザイナー、アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦さんの創作活動を展望する大規模回顧展「描く人、安彦良和」の第三会場である青森県立美術館で2025年5月24日(土)に特別上映会+トークショーⅡ 『機動戦士ガンダム』の劇場版三部作の上映と安彦良和さん×庵野秀明さんトークショー。
5月25日(日)に特別上映会+トークショーⅢ として『クラッシャージョウ』上映と安彦良和×高千穂遙(作家)が実施されました。


特別上映会+トークショーⅡ 
安彦さんと映画監督・プロデューサーの庵野さんのトークショーは『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』と『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』の上映の間に行われました。

 


トークショーで安彦さんが『板野くん』と呼んでいたアニメーターの板野一郎さんを庵野さんが『板野さん』と呼んでいて、実は安彦さんの「弟子」である板野さんが、庵野さんの「師匠」という関係であることから、安彦さんは庵野さんを『孫弟子』と紹介。

庵野さんは、浪人時代に安彦さんが描いた「機動戦士ガンダム」の原画を見たことがアニメーターという仕事を意識するきっかけになった、「安彦さんは私をアニメーターの世界に入れた張本人」と明かし、「責任を取ってください」と発言。

安彦さんは 庵野さんが作画監督として参加した「王立宇宙軍オネアミスの翼」を観て時代の変化を感じ、「庵野さんのような人がいるなら」と、漫画家への転身を考えるきっかけになったと明かした。

お互いに影響を与え合った二人のトークで庵野さんは「安彦さんという存在がなければアニメは衰退していた。画力はもちろん歴史をつくった本当にすごい人」と安彦さんの功績を絶賛していました。

 

特別上映会+トークショーⅢ
安彦さんと原作者の高千穂さんとのトークは『クラッシャージョウ』の上映後に行われました。

 


高千穂さんが「昔小説の絵を描いてくれと言ったときに安彦さんは「馬鹿なことをいううんじゃない。アニメーターの絵なんて後世に残すものじゃない、パパっと画面に流れて消えていって、それで終わり」と言ったんですよ。そんなことはない。と言って残した結果が、この展覧会。」安彦さんの素晴らしい功績がちゃんと残って多くの人の目に触れることができたと、「描く人、安彦良和」展を称賛。

ふたりの出会いは高千穂さんが初めてサンライズの担当になった1974年頃、まだサンライズの前身の創映社のころということですので、50年来の付き合いだそうです。当初、安彦さんは高千穂さんを「目つきは悪いし、偉そうにしてるし。口の聞き方が横柄でなんで嫌な奴だと思って。このタイプは俺嫌いだなと口も聞きたくねえやとか思っていた」そうですが、「あのうちの主人が小説を書いたんです。で、あなたに挿し絵をお願いしたいと言って、あなたの絵が大好きだと言ってます」と奥さんが言っているのを聞いて、「あいつそうだったのか。なんかそういや、感じのいいやつだってそれで口を聞くようになって。もうコロってイメージが変わっちゃって、とにかく褒めてくれる人はいい人だって思って、それからの付き合いがこんなに長く続くとは思っていなかった」そうです。

小説を書くときに安彦さんの絵が浮かんでいたという高千穂さんと、漫画の書き方などいろいろなことを高千穂さんに教わった安彦さん。
「もう本当に 大変な腐れ縁で、なかなかこの縁はどっちかが死ぬまで切れないと思っている」というおふたりのトークを来場者も楽しんでいました。

青森県立美術館の「描く人、安彦良和」は6月29日まで開催されています。
県内・弘前大学に在学していた当時の安彦さんの記録資料や表紙イラストやタウン・マップを担当していた弘前のタウン誌「Q都」など、青森会場ならではの追加展示がご覧いただけます。


「描く人、安彦良和」
【会期】
2025年4月19日(土) - 6月29日(日)
休館日:6月9日・23日
その他臨時休館や休館日の変更等がある場合がございます
開館時間:9:30 - 17:00(展示室への入場は16:30まで)
【会場】
青森県立美術館(青森県青森市安田字近野185)
【観覧料】
一般1,700(1,500)円
大学生1,000(800)円
18歳以下および高校生無料
※( )は20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料

割引セット券(安彦良和展+コレクション展2025-1)
一般2,000円
大学生1,100円
18歳以下および高校生無料
※セット券に団体割引はございません。また、他の割引との併用はできません。